恵比寿駅からはちょっと歩いたところ、夜は人通りもまばらになってきたところでポツンと灯るのは、酒呑みのツボを絶妙に押えた小料理店「ふさ助」。店内は静か過ぎず、賑やか過ぎず。決して入りやすい店構えではないが、一見でも懐広く迎えてくれる。1人客も多いが、常連風を吹かせてしつこく構ってくる人はおらず、適度な距離を保ちつつ、小料理とお酒を楽しむのが流儀。こちらを切り盛りするのは名物女将「ふさこ姐さん」。作る料理は小料理屋によくある簡単なつまみにとどまらず、酒呑みが喜びそうな創作料理などバリエーション豊富。ちゃんとした手料理と旨い酒に癒されるため、夜な夜な訪れる女子のひとり客も多い。今回出品した料理は「大人のグラタン」。一体どこら辺が大人なのだろうか。恵比寿の夜にふさわしい、ちょっとエキゾチックな期待が膨らむ。酒呑みのツボを的確に押す同店だけに、出来上がりが待ち遠しい。
瀧野 維子 氏
「どうしたら美味しいビールを飲めるのか」大人は皆考えている（はず）旨い夜ビールを飲めるなら、暑い中スーツの昼活も我慢する。仕事終わりに喉が乾いても水分を我慢する。休みの日は夕方からジムで汗を流してわざわざ喉をカラカラにする。‘ご褒美ビール‘って、言い訳も魅力的。旨いビールを飲むために色んな言い訳をしたくなるにがビールなのだ！！だからビールは「とりあえずビール」の飲み物ではない。そんな大事な一杯のエビスビールに合う逸品を考えたらこうなった。「大人のグラタン」（山椒さんまとアボカドの山芋グラタン）グラタンはジャガイモのイメージですが、旬の秋さんまの甘タレ焼きに山椒のスパイシーを加え、温めるとトロみがでるアボカドと、ねばシャキ感がのこる山芋で和風なグラタンになりました。チーズの焦げとよくあいます。
ヱビスビール × 「大人のグラタン」(山椒さんまとアボカドの山芋グラタン) = 1,000円
旬のさんまに旨みのベールをかけるのは赤ワインと生姜を煮つめたソース。甘しょっぱい濃厚な味付けが、山芋とアボガドの甘みを押し上げる。スプーンをムニュリと差し込み、口に運ぶとネバとろの食感とチーズの香りがエビスビールのしっかりとした苦みと呼応する。ピリッと山椒の刺激が大人の味わい。辛みは後からじわ〜っと。これぞベテランの妙技。
